私自身、「AGA」=「薄毛の治療方法」だと勘違いしていました。
AGAと聞いて薄毛の治療方法だと思っていた人も多いのではないでしょうか。
AGAは、男性の頭皮で見られる最も一般的な脱毛の原因の一つです。
この記事では、AGAについての基本的な知識を得られ、あなたが悩んでいる薄毛の原因や治療方法について理解を深めることができます。
AGAの原因や進行メカニズム、現代の治療法などについての知識を得ることで、薄毛に対する理解を深め、適切な対策をとることが可能です。
最後には、あなたの薄毛の状態をセルフチェックし「AGA」なのか判断することができます。
\この記事はこんな人にオススメ/
- AGAとは、なんなのか知らない人
- AGAをなんとなく知っているが詳しく知らない人
- 自分がAGAとは認めたくない人(私のこと)
- AGAの治療方法についてザックリ知りたい人
<参考にしている資料>
- 厚生労働省 厚生労働省ホームページ
- 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
- KEGG MEDICUS KEGG NETWORK/DISEASE/DRUG データベース
※KEGG DRUG は、日本、米国、欧州の医薬品情報を化学構造と成分の観点から一元的に集約したデータベースです。
※KEGG MEDICUS は、医療現場においても利用できるサービスとして、2015年10月に東京理科大学薬学部の「宮城島 利一客員教授」が講演されています。
AGAとは「男性型脱毛症」のことで薄毛の病気の一種
AGAとは、「男性型脱毛症」という進行性の病気です。
男性型脱毛症(male pattern hair loss , androgenetic alopecia)は思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症のことを言います。
男性型脱毛症(male pattern hair loss,androgeneticalopecia)は思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症である.脱毛は生理的な現象ではあるが,外見上の印象を大きく左右するので QOL(Quality of life)に与える影響は大きい.近年,男性型脱毛症の病態解明が進むとともに有効な外用,内服の治療薬が開発され,皮膚科診療においても積極的に使用されるようになってきた.しかし,それでもなお皮膚科医の立場からは無効といえる科学的根拠に基づかない民間療法が社会的に横行し,無効な治療法を漫然と続ける患者も少なくなかった.
引用元:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
AGAとは何の略?そして意味は?
AGAとは、「Androgenetic Alopecia」を略したもので、「Androgenetic」は「男性ホルモン」、「alopecia」は「脱毛症」のことを意味します。
日本語では、男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)と呼ばれます。
AGAと薄毛の違いは何ですか?
AGA (Androgenetic Alopecia)と薄毛は、髪の毛の状態に関連する異なる概念です。
AGAは特定のタイプの脱毛症であり、遺伝的要因やホルモンの影響によって引き起こされる一般的な状態です。頭頂部や前頭部の髪の毛が徐々に薄くなる特徴的なパターンで現れます。
一方、薄毛は髪の毛の量が減少し、頭皮が透けて見える状態を指します。薄毛はさまざまな原因によって引き起こされる可能性があり、遺伝的な要因や加齢、ストレス、健康状態、栄養不足などが関連しています。
つまり、AGAは特定の原因によって引き起こされる特定の種類の脱毛症であり、薄毛は髪の毛の量が減少する広い範囲の状態を指します。
<他の薄毛の病気について>
- 円形脱毛症:
細菌やウイルスなどの病原体を壊そうとする働き(免疫)が自分自身の身体に向いてしまい機能が損なわれる病気を自己免疫疾患と呼びます。円形脱毛症は毛を作る毛包周囲に炎症が起き、一部のリンパ球が毛包の組織を壊そうとする自己免疫反応が起きておりその影響で毛が抜けてしまう病気です。 - びまん性脱毛症:
びまん性脱毛症とは、髪全体のボリュームが失われる薄毛の1つです。男性型脱毛症いわゆるAGAは前頭部や頭頂部の髪が薄くなりますが、びまん性脱毛症は全体的に抜け毛が増えます。 - ひこう性脱毛症:
ひこう性脱毛症は、『乾燥した細かい灰白色のフケが大量に発生→フケが毛穴をふさぎ、毛穴にいる常在菌(マラセチア菌)が繁殖→毛穴が炎症→髪の成長が阻害→抜け毛が増え頭皮全体が薄く』なる病気です。
男性型脱毛症(AGA)
薄毛の中の1つの病名が「AGA」です。
髪の毛全体が薄くなる症状は、AGAとは違うようですね。
AGAになる原因として遺伝と男性ホルモンが関係している
AGA(男性型脱毛症)の主な原因は男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)および遺伝(ホルモン受容体)が原因です。
男性型脱毛症の発症には遺伝と男性ホルモンが関与するが,遺伝的背景としては X 染色体上に存在する男性ホルモンレセプター遺伝子の多型や常染色体の 17q21 や20p11 に疾患関連遺伝子の存在が知られている.
引用元:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
男性ホルモンや遺伝子、染色体とか難しい用語が多いので頭が痛くなる・・・
学術的な話は難しいので、私が簡単にAGAについて理解した内容を以下で簡潔にまとめてみました。
AGAの遺伝的要因について
AGAは、遺伝的要因も大きく、両親や祖父母から遺伝することがあります。
特定の遺伝子がAGAの発症や進行に関与しており、家族内でAGAが見られる場合、個人がAGAになるリスクが高くなります。
父方の祖父と祖母を含め薄毛です。遺伝的要因が大きかも・・・
男性ホルモンの役割とAGAが起こるメカニズムについて
<AGAが起こるメカニズム>
- 男性ホルモンの「テストステロン」は、II 型 5α―還元酵素「5αリダクターゼ」の働きにより,さらに活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。
- そのジヒドロテストステロン(DHT)が、毛乳頭の毛を作る役割を持つ毛母細胞の増殖を抑制させ成長期を短縮(ヘアサイクルを乱す)させてしまいます。
- 結果として、ヘアサイクルの成長期が通常よりも短くなり、成長の途中で毛が抜け落ち、また、細く抜けやすい髪の毛しか育たなくなります。
テストステロンとは男性ホルモンのこと
テストステロンは、骨や筋肉の発達を促し、髭や胸毛などの毛を濃くする方向に働き男らしい身体を作るほか、生殖機能の向上、そして肉体面・精神面の健康にも関与するなど、そのはたらきは多岐にわたります。
だから最近の抜け毛は細く短い毛が多いんだ。
髪の毛を短くしたからと自分を納得(現実逃避)させていたけど、私はAGAという病気の症状に近い気がします。
2.病態
引用元:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
一般的に男性ホルモンは骨・筋肉の発達を促し,髭や胸毛などの毛を濃くする方向に働く.しかし,前頭部や頭頂部などの男性ホルモン感受性毛包においては逆に軟毛化現象を引き起こす.男性ホルモン感受性毛包の毛乳頭細胞には男性ホルモン受容体が存在するが,髭や前頭部,頭頂部の毛乳頭細胞に運ばれたテストステロンは II 型 5α―還元酵素の働きにより,さらに活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて受容体に結合する.DHTの結合した男性ホルモン受容体は髭では細胞成長因子などを誘導し成長期が延長する.逆に前頭部や頭頂部の男性ホルモン感受性毛包においては,DHTの結合した男性ホルモン受容体はTGF-β や DKK1 などを誘導し毛母細胞の増殖が抑制され成長期が短縮することが報告されている.
AGAの症状は頭頂部や前頭部の脱毛から始まる
AGAの主な症状は、頭頂部や前頭部の髪の毛の薄さや抜け毛の進行です。額の生え際や頭頂部から薄くなり、徐々に広がるパターンが見られます。
AGAの進行に伴い、髪の毛が細くなり、毛包が縮小してしまいます。これにより、髪の毛の成長サイクルが短縮され、新しい髪の毛が生えてくるサイクルが乱れます。
結果として、抜け毛が増加し、頭皮が透けて見えるようになります。 髪の毛が薄くなることで、頭皮が見えるようになるため、外見上の自信や心理的なストレスが増大することもあります。
AGAの進行パターンは大きく分けて3つ
AGAの進行は特定のパターンに従います。
<AGA進行パターンの3つ>
- 頭頂部のつむじから進行するO字型の薄毛
- 額の生え際から進行するM字型の薄毛
- 前頭部がM型ではなく全体的に後退するU字型の薄毛
ハミルトン・ノーウッド分類
AGAは、実際に薄毛になった人の症例を集め、よくあるパターンを抽出して作成した「ハミルトン・ノーウッド分類」という分類法によって13個のタイプに分けられます。
最初にAGAの分類に取り組んだハミルトンと、改定に取り組んだノーウッドという2人の医師の名前からつけられたものです。
I型 | 額の生え際から徐々に後退し、M字型にラインが後退し始める。 |
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II型 | I型が進行し、M字型の剃り込みが徐々に深くなる。 |
III型 | II型からさらに進行し、M字型の剃り込みがさらに深くなり前頭部も薄毛になる。 |
IV型 | III型より生え際が後退し、頭頂部にO字型の薄毛が見られ始める。 |
V型 | IV型がさらに進行し、生え際が頭頂部に迫りO字型の薄毛の範囲も広がる。 |
VI型 | M字後退した生え際とO字型の薄毛がつながって側頭部と後頭部に毛が残る。 |
VII型 | VI型が更に進行し、側頭部の薄毛も進み後頭部も頭頂部に近い部分は毛がなくなる。 |
IIa型 | I型が進行し、M字の剃り込みだけでなく、額の中心も後退し始める。 |
IIIa型 | IIa型が更に進行し、額から頭頂部にかけて薄毛が広がる。 |
IVa型 | IIIa型が進行し、耳から前の前頭部は全体的に薄毛になる。 |
Va型 | IVa型が進行し、だんだんと口頭部にも薄毛が広がるようになる。 |
II Vertex型 | II型に加え、頭頂部にもO字型の薄毛が見られ始める。 |
III Vertex型 | III型 Vaetex型が進行し、頭頂部もO字型の薄毛になる。 |
私の現状は、パターン①の頭頂部のつむじから進行するO字型の薄毛で、III Vertex型の状態です。
AGAの診断方法は「クリニック受診」か「セルフチェック」の2つ
AGAの診断方法は、主にクリニックでの専門医の診察による方法と、セルフチェックによる方法の二つがあります。
クリニック受診
AGAを診断する最も確実な方法は、皮膚科や美容外科などの専門医に受診することです。
専門医は患者の髪の状態を観察し、頭皮の状態や毛髪の状態を評価します。また、遺伝的な要因や家族歴、生活環境などの情報を収集し、総合的な診断を行います。必要に応じて、血液検査や頭皮生検などの検査も行われます。
セルフチェック (自己診断)
鏡を使用して自分の髪の状態を評価し、決められた特徴に当てはまるか確認することで簡易的な診断が可能です。
セルフチェック(自己診断)の方法と注意点
AGAのセルフチェックは、自宅で自分の髪の状態を評価する方法です。以下に、セルフチェックの方法と注意点を示します。
チェック方法
- 鏡を使用する:
鏡を使って頭頂部や前頭部の髪の状態を観察します。頭皮が透けて見えたり、髪の毛が薄くなっている部分があるかどうかを確認します。 - 抜け毛の確認:
頭皮に抜け毛が増えていないかを確認します。シャワーやブラッシング時に抜け毛が増えている場合は要注意です。 - 生え際のチェック:
生え際が後退していないか、または頭頂部から髪の毛が薄くなっていないかを確認します。 - 写真を撮影する:
長期間にわたって髪の状態を追跡するために、定期的に頭部の写真を撮影することが役立ちます。
注意点
- 専門医の診断を受ける:
セルフチェックは自己診断の一助に過ぎません。症状が見られる場合は、専門医の診察を受けることが重要です。 - 適切な照明を使用する:
頭皮や髪の毛の状態を正確に評価するために、明るい照明を使用します。
定期的なチェックを行う: AGAの症状は進行性であるため、定期的に自己チェックを行い、変化を追跡することが重要です。 - ストレスを避ける:
自己チェックは不安やストレスを引き起こす場合があります。落ち着いた状態でチェックするよう心がけましょう。
セルフチェックはAGAの症状を早期に発見し、適切な治療法を選択するための一歩です。しかし、診断や治療に関する決定は、専門医との相談が必要です。
AGAセルフチェック(自己診断)
AGAは進行性の脱毛症です。放っておくと髪の毛は次第に細く短くなっていきます。そして、抜け毛が増え、本数も徐々に減っていきます。
それではセルフチェックをしてみましょう!
🔲 親族に薄毛の人がいる
🔲 枕元やシャンプー時に抜け毛が多くなった
🔲 額が広くなった
🔲 髪のボリュームが減った
🔲 抜け毛が多くなった
🔲 髪が細くなった
🔲 頭頂部の毛が細くなった
※1つでも当てはまる場合はAGAの可能性があります。
私の場合、すべて当てはまりました。
AGA確定ですね。
AGAの治療薬は「守りの処方薬」と「攻めの処方薬」の2種類
AGA治療薬には「抜け毛防止(守りの処方薬)」と「発毛促進(攻めの処方薬)」の2種類があります。
2種類の処方薬について
抜け毛防止「守りの処方薬」(流れ出る水を止める絆創膏の役割)
●フィナステリド
フィナステリドは、先程紹介した脱毛の原因となる「ジヒドロテストステロン」の働きを抑制する薬です。これを飲むことで、短縮されたヘアサイクルを正常な状態に戻すことを目指します。
「フィナステリド」は必須としているクリニックが多いです。
●デュタステリド
こちらもフィナステリドに似た薬ではあるのですが、フィナステリドより効果・副作用共に強い薬とされています。そのため、フィナステリドよりも取り扱っているクリニックは少ない印象です。
言い換えると、穴の空いたバケツに他の薬や治療によって水を入れるようなイメージです。水を入れたとしても、残念ながら空いている穴から水が出ていってしまいます。
これを防ぐために、「フィナステリド」や「デュタステリド」が処方されています。
発毛促進「攻めの処方薬」(蛇口から注がれる水の役割)
●ミノキシジル
こちらは血行改善、あるいは毛母細胞の活性化が期待される薬です。ミノキシジルによって、発毛を促進し、髪の毛を成長させます。
言い換えると、バケツに注がれる水の役割を果たしています。
※AGA治療で処方される代表的な内服薬の副作用についてはコチラから。
AGAのよくある疑問として
- AGAは自力で治せますか?
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一般的に自力で完全に治すことは難しいとされています。
理由:AGAは遺伝的要因やホルモンの影響によって引き起こされるため、根本的な原因を取り除くことが難しいからです。 生活習慣の見直しやヘアケア製品、サプリメントを利用することで多少の効果があるかもしれません。しかし、AGAの治療には医師による処方薬や専門的な治療法が必要です。
※効果的な治療を求める場合は専門医の診察を受けることが重要です。医師は患者の状態を詳しく調査し、最適な治療法を提案することができます。
- AGAを放置したらどうなるの?
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放置すると、頭頂部や前頭部の薄毛が進行し、髪の毛の量がさらに減少する可能性があります。
理由:AGAは進行性の病気だからです。
- AGA治療を続けないとどなるの?
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治療を中断したり、継続しなかったりすると、AGAの症状の進行が阻害されず、治療の効果が低下する可能性があります。
特に「守りの処方薬」や「攻めの処方薬」を使用する場合、定期的な使用が重要です。治療を継続することで、髪の毛の薄さや抜け毛を抑制し、新しい髪の成長を促進することが期待できます。
まとめ|AGAについての基本的な理解と対処法の重要性
AGAは遺伝的な要因や男性ホルモンの影響によって引き起こされる脱毛症の一種ということがわかりました。AGAについての基本的な理解と対処法の重要性は高いようです。
また、AGAの症状や進行パターンを理解することができました。私の場合は、パターン①の頭頂部のつむじから進行するO字型の薄毛で、III Vertex型の状態です。
そして、AGAの治療法には「守りの処方薬」と「攻めの処方薬」の2種類があり、「守りの処方薬」はAGAの進行を抑制し、「攻めの処方薬」は新しい髪の成長を促進するための治療がありました。ただし、これらの治療法の効果を最大限に引き出すには、定期的な使用が必要のようです。
専門医の診察を受けることで正確な診断と適切な治療を得ることができるようですので、自分にあったクリニックを探してみてください。