AGA(男性型脱毛症)の治療薬として広く知られる「フィナステリド」や「ミノキシジル」。
これらの薬を使用している方も多いかと思いますが、特に個人輸入で手に入れた国内未承認薬の場合、その副作用のリスクに対して十分な対策が取られていないことがあります。
では、もし副作用で健康被害を受けた場合、救済措置はどうなるのでしょうか?
この記事では、『医薬品副作用被害救済制度』について詳しく解説します。
この制度は、国内で承認された薬を正しく使用したにもかかわらず、副作用で健康被害を受けた方を救済するものです。
この記事を読むことで、AGA治療におけるフィナステリドやミノキシジルの副作用リスクと、医薬品副作用被害救済制度の仕組みを理解し、自分に合った安全な治療法を選ぶ際の参考になります。
AGA治療薬の未承認薬の使用を考えている方や、薬の副作用に不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
\この記事はこんな人にオススメ/
- AGA治療薬(フィナステリド・ミノキシジル)の副作用に不安を感じている人
- 国内未承認薬を使用している、または使用を考えている人
- 『医薬品副作用被害救済制度』について詳しく知りたい人
- 副作用が心配で、安全に薬を使いたいと考えている人
<参考にしている資料>
- 厚生労働省 厚生労働省ホームページ
- 国税庁 国税庁ホームページ
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA) PMDAホームページ
- 日本製薬工業協会 製薬協ホームページ
国の『医薬品副作用被害救済制度』とは
『医薬品副作用被害救済制度』は、薬を正しく使ったのに副作用で健康被害を受けた人を助けるための制度です。
病気を治すために使った薬が原因で、重い副作用が出てしまった場合、この制度を利用することで、治療費や生活費の補助を受けることができます。この制度は、薬のリスクをできるだけ減らすためにあるものです。
入院や治療が必要になるほどの重い副作用が発生した場合や、身体的な障害が生じた場合は「医薬品副作用被害救済制度」により救済が受けられます。
ただし、どんな薬にも適用されるわけではありません。たとえば、AGA治療薬の国内未承認薬(日本で正式に許可されていない薬)を使った場合、この制度の対象外になります。
理由は、未承認薬は日本での安全性が確認されていないため、使うことで副作用が出ても、その責任は国や制度ではなく、使用者自身にあるとされるからです。
つまり、日本で認められた薬を正しく使った場合だけ、この制度で助けてもらえるということです。
薬を使っていて、何か異常を感じたら、どうすればいいの?
まずは、かかりつけの医師や薬を処方した医師・薬剤師に相談することが必要です。
『医薬品副作用被害救済制度』どんな機関が運営しているの?
「医薬品副作用被害救済制度」は、『独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)』が運営しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
名称 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 |
法人番号 | 3010005007409 |
住所 | 〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル |
設立 | 2004年4月1日 |
法人の種別 | 中期目標管理法人 |
業務の概要 | 健康被害救済業務 承認審査業務 安全対策業務 |
運営会社URL | https://www.pmda.go.jp/index.html |
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA;Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)は、2001年に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画を受けて、国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構及び財団法人医療機器センターの一部の業務を統合し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づいて2004年4月1日に設立され、業務を開始しました。
PMDAは、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としています。
給付の仕組みは?
給付の仕組み
- 給付の請求:健康被害を受けた本人
- 医学・薬学的な判定:PMDA
- 給付の決定:PMDA・厚生労働大臣
- 拠出金:医薬品等の製造販売業者・補助金(国)
請求に必要な書類
請求に必要な書類
請求に必要な書類は給付の種類によって異なります。以下のとおり、所定の様式での請求が必要となります。
必要な書類は状況によって変わりますので、請求を初めてご検討されている方は、救済制度相談窓口にご連絡ください。
制度の仕組みについてご案内するとともに、状況をお伺いし、PMDAからそれぞれの方に応じて請求に必要な書類をご案内し、お送りいたします。引き続きの請求の場合や、制度について既にご存じの医療機関の方などは、下記の書類をダウンロードしてご使用いただいても構いません。
(注)新型コロナワクチン接種による健康被害について請求をご検討される場合は「医薬品副作用被害救済制度の給付対象」のページをご確認いただくか、救済制度相談窓口にご連絡ください。必要書類チェックフローチャートのページはこちら
質問項目に答えていくと、医薬品副作用被害救済制度で請求するために必要な用紙が入手できます。
救済制度の相談窓口
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
電話 | 0120-149-931(フリーダイヤル) |
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受付時間 | 9時~17時(祝日・年末年始を除く) |
ホームページ | https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html |
AGA治療薬の個人輸入と副作用、「医薬品副作用被害救済制度」との関係性
AGA治療薬を個人輸入で購入し、副作用が発生した場合、「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となるため、十分なリスクを理解した上で利用することが重要です。
個人輸入した薬は、日本国内での承認を受けていない場合が多く、その安全性や品質が国内の基準を満たしているかが確認できていません。特にAGA治療薬であるフィナステリドやミノキシジルは、個人輸入が容易である反面、未承認薬を使用するリスクが大きいです。
例えば、以下の記事。個人輸入で購入したフィナステリドを使用した結果、重篤な副作用として肝機能障害や精神的な副作用が報告されています。しかし、これらの副作用が発生しても、国内未承認の薬の場合、『医薬品副作用被害救済制度』は適用されません。
厚生労働省から関係各所に対し、未承認薬(ミノキシジル内服薬)の健康被害についての事例を報告しています。
『医療機関において医師が個人輸入した国内未承認のいわゆる発毛薬を医師の指示の下で服用したことにより、別添のとおり健康被害を生じた事例が報告されました。』
※参考元:未承認薬ミノキシジル 「厚生労働省事務連絡」
以下では
まとめ|安全なAGA治療を選ぶために知っておくべきこと
AGA治療薬として広く利用されているフィナステリドやミノキシジルの効果は高いですが、個人輸入での使用にはリスクが伴います。特に、日本国内で承認されていない未承認薬を使う場合、副作用が発生しても「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となることを忘れてはいけません。
日本の未承認AGA治療薬によって副作用が出た場合、たとえ重篤な健康被害を受けたとしても、国の支援を受けることはできません。自己責任で対応しなければならない状況を避けるためにも、信頼できる医療機関やクリニックで、承認された治療薬を選ぶことが重要です。
副作用が心配な方や、リスクを最小限に抑えたい方は、医師の指導のもとで安全な治療法を選択することが、自身の健康を守る第一歩となります。
AGA治療に取り組む際には、制度や薬のリスクについて正しい知識を持ち、適切な治療を選びましょう。
未承認薬であったとしても医師のによる適切な処置や経過観察が大切ですね。